ミクロメータの原理
顕微鏡で見ているものの大きさを測るために目盛りのついたものさしをあてるとしたらどうしたらよいでしょうか?
一番,簡単そうなのは目盛りのついたスライドグラス上に試料を載せて観察すればよいでしょう.つまり下の図のように目盛りを当てます.
しかし,目盛り付きのスライドグラスは高価ですから,たくさんの試料があるときに用意するわけにいきません.永久プレパラートを何十枚も作るならばこんなことは実用的ではありません.また,目盛りが汚れたり,消えたりしやすいです.
先週の実験では観察対象はまず対物レンズを通した実像を結びます.その実像に目盛りをあててやれば測れるのではないでしょうか?つまり下の図のように目盛りを実像に当てます.
光学顕微鏡では対物レンズの実像はかならず接眼レンズの視野絞りのところに結像するように設計されています.だから,接眼レンズの視野絞りの上に目盛りを当てれば,観察対象の大きさを間接的に測定できそうです.
この場合,視野絞りの像はすでに対物レンズで拡大された像ですから,同じ目盛りであっても対物レンズの倍率が異なれば,観察対象の大きさはそれに応じて異なります.そのためには観察対象の置かれるところに目盛り(対物ミクロメータ)をおいて,この目盛りを標準として,接眼レンズの視野絞り上にある接眼ミクロメータの目盛りを検定する必要があります.

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